THE PRESTIGE
原題:THE PRESTIGE
米国公開:2006年10月20日
日本公開:2007年06月09日
製作国:アメリカ合衆国/イギリス
言語:英語
画面:シネスコ
音響:ドルビーデジタル
上映時間:130分
映倫:G
提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズ

【スタッフ】
監督クリストファー・ノーラン
脚本クリストファー・ノーラン
   ジョナサン・ノーラン
原作:クリストファー・プリースト『奇術師』(早川書房刊)
製作クリストファー・ノーラン
   アーロン・ライダー
   エマ・トーマス
製作総指揮:クリス・J・ボール
      ヴァレリー・ディーン
      チャールズ・J・D・シュリッセル
      ウィリアム・タイラー
撮影:ウォーリー・フィスター
美術:ネイサン・クロウリー
衣装:ジョーン・バーギン
編集:リー・スミス
音楽:デヴィッド・ジュリアン

【キャスト】
ロバート・アンジャー:ヒュー・ジャックマン
アルフレッド・ボーデン:クリスチャン・ベイル
カッター:マイケル・ケイン
オリヴィア:スカーレット・ヨハンソン
ジュリア・マッカロー:パイパー・ペラーボ
サラ・ボーデン:レベッカ・ホール
ニコラ・テスラ:デヴィッド・ボウイ
アリー:アンディ・サーキス
ミルトン:リッキー・ジェイ
エドワード・ヒバート
サマンサ・マハリン
ダニエル・デイヴィス
ジム・ピドック
クリストファー・ニーム
マーク・ライアン
ロジャー・リース
ジェイミー・ハリス
ロン・パーキンス
モンティ・スチュアート

【ストーリー】
[1 THE PLEDGE]
 19世紀末のロンドン。拍手と歓声が鳴り響く舞台の下。男はそこに設置された水槽のなかに、まさに溺れ時なんとするライバルの姿を見て驚愕する。
 その男、「THE プロフェッサー」と呼ばれた奇術師アルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベール)は、長年のライバル、「グレート・ダントン」ことロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)を溺死させた疑いで法廷に連れ出された。目撃者として証言台に立ったのはマジックの考案者でアンジャーの協力者、カッター(マイケル・ケイン)。彼はふたりの確執が生まれた過去へと思いを馳せる。

[2 THE TURN]
 それはアンジャーとボーデンが中堅どころの奇術師ミルトンのもとで共にしのぎを削り合いながら修行をしていたときのこと。アンジャーの愛妻であり助手のジュリア(パイパー・ペラーボ)が水中脱出に失敗、溺死するという事故から始まった。彼女の手をロープで結んだのはボーデン。この悲劇はアンジャーを復讐の鬼に変え、以降、ふたりは常に競い合い、いがみ合い、時に血なまぐさい争いを繰り返すことになった。
 やがて、ボーデンはサラ(レベッカ・ホール)と出会い結婚、ひとり娘ジェスをもうける。アンジャーのもとには助手志願の美しい娘オリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)が現れるが、その存在も彼を癒してはくれない。ライバルの幸せはアンジャーをより不幸にし、復讐に走らせることになった。
 そんなとき、ボーデンが新しいマジックを披露した。それは彼が一瞬のうちに左のドアから右のドアへと移動する「瞬間移動」。トリックが判らないアンジャーは焦るが、カッターはそっくりな人物を使っているに違いないという。同じトリックでマジックをやることになったアンジャーは、自分と瓜二つの三流役者でアル中のルートをスカウト。「新・瞬間移動」と銘打って、ボーデンを上回る人気を得る。アンジャーには、パフォーマーとしての華があったからだ。
 しかし、そんな名声には満足できず、ボーデンの「瞬間移動」のトリックに疑問を持ち続けるアンジャー。彼にはオリヴィアにボーデンの助手となって、彼の「瞬間移動」トリックを探ることを命じた。戸惑いながらも、ボーデンのもとで働き始めるオリヴィア。やがてふたりは互いに惹かれ合うようになる。そんなある日、オリヴィアがトリックの秘密が書かれているであろうボーデンの日記を持ち出し、アンジャーに差し出した。それは解読に時間を要するものであったが、ボーデンとの取り引きのなか、ついに、トリックを暴くキーワード「テスラ」を聞き出すことに成功した。
 テスラとは、エジソンと肩を並べる科学者でロンドンで電気の公開実験を行ったニコラ・テスラ(デヴィッド・ボウイ)のこと。アンジャーはボーデンの瞬間移動に、テスラの開発した電気の技術が大きく関与していると推測し、すぐに彼が実験所を構えるアメリカのコロラドへと旅立った。テスラに出会うことが出来たアンジャーは瞬間移動装置の制作を頼む。そして、出来上がった装置は、アンジャーの想像を絶するものだった。
 その装置と共に、アンジャーがロンドンに帰ってきた。カッターと再会したアンジャーは、100回のみという約束で上演を組む。それは、まさに究極の瞬間移動。スパークする電気のなかでアンジャーが消え、次の瞬間、観客席の後ろから姿を現わすというものだ。ある日、ライバルが完成させた驚愕のトリックの秘密を求めて舞台裏へ忍び込んだボーデンは、そこで溺れ死ぬアンジャーに遭遇するのだった。

[3 THE PRESTIGE]
 アンジャーを溺死させた疑いで鎖に繋がれたボーデンを、貴族コールドロウ卿の代理人オーエンズが訪ねてくる。奇術が趣味の卿はタネを高価で買い取るといい、また娘のジェスの世話を申し出る。さらに興味深いものを差し出した。何とそれはアンジャーの日記だ。その日記は、ボーデンが思いもよらない驚愕の真実を知らせるものだった。
 テスラがアンジャーに残したものとは、人間を複製できる装置だった。それによって、あの究極の瞬間移動が行われていたのだ。そして、アンジャーは自分が増殖することを避けるため、舞台下の水槽でひとりを溺死させるよう仕掛けていたというわけだ。この事実は、カッターさえも知らない。死体の入った水槽を始末する、目の見えない老人が雇われているだけだ。その現場に偶然居合わせたボーデンが、舞台裏に忍び込んだ彼を追ってきたカッターによって、殺人犯に間違えられたというのがこの事件の真相だった。
 この時以来、アンジャーは真実の姿、貴族コールドロウ卿として生きていた。ある日、彼がボーデンの娘ジェスを連れ、刑務所を訪ねてくる。死んだはずのアンジャーが生きていることを知って狂乱するボーデン。「彼がアンジャーだ」と刑務官に訴えるも、時はすでに遅かった。
 ボーデンの死刑執行の日がおとずれた。忌々しいライバルがこの世から消え、コールドロウ卿として、テスラの複製装置も取り戻したアンジャー。これをもって、長きにわたる復讐劇の終焉となるはずだった。
 その時、一発の銃弾が、アンジャーの体を打ち抜いた。暗闇の向こうから現われたのは、死んだはずのボーデンだ。かつてアンジャーによる策略で、マジック中に指を失った左手が何よりの証拠だ。
 驚愕するアンジャーに、ボーデンらしき男はすべてを語り出した。ボーデンとマジックの考案者としていつも共に行動していたファロンは、実は双子だったのだ。それがボーデンの瞬間移動のタネだった。そして、スポットライトを浴びるボーデンと裏方のファロンを、ふたりで交互に演じていたのだという。片方が指を失えば、もう一方も同じように指を切断した。一方のボーデンが本当に愛した女性はオリヴィア、サラを愛していたのがもう一人のボーデン。日によって態度の違う夫の本心が掴めず、悩み抜いた揚げ句、サラは自ら命を絶った。その裏側には、究極のマジックを追求するためなら私生活の犠牲もいとわない、プロフェッショナルの姿があったのだ。
 ようやくライバルのトリックを知ったアンジャーだが、炎に包まれる劇場で静かに息絶えていった。「マシンの前に立つのはどれほど恐ろしいか。だが、観客の驚く顔が見たかった」と言い残して…。娘のジェスを取り戻し、最後まで生き残った1/2のボーデン。自分の半分を失った今となっては、二度と「THE プロフェッサー」として、スポットライトを浴びることは出来ない。